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よもやま話

院長よもやま話

オイルよもやま 脂肪酸の働き

よもやま話17では、脂肪酸の分類についてお話しさせていただきました。18のお題としましては、実際に脂肪酸が体内でどのような働きを果たしているのか?についてつらつら書いてみたいと思います。

脂肪酸の働き脂肪酸の主な働きには、
①エネルギー源となる
②脂溶性ビタミンの吸収を促進する
③細胞膜や脳神経組織を作る材料となる
④ホルモン生成・生理活性物資の生成に関わる
などがあります。

順に確認していきましょう。
① エネルギー源となる
脂質というと、使われないと貯蔵される。そして、必要なときにエネルギーとして使われる。というイメージではありませんか? それはもちろん正しいのですが、実は、脂質がもたらすエネルギーには2種類あります。いざという時のために【貯蔵されるエネルギー】と 消費に回される【即効性のエネルギー】のふたつです。

貯蔵されるエネルギーはほとんどが 飽和脂肪酸の中の”長鎖脂肪酸”です。この脂肪酸が貯蔵に回される理由は、化学的に非常に安定しており長期間でも酸化を受けづらいためです。長鎖脂肪酸の消化吸収のしくみも貯蔵寄りになっており、 エネルギーが豊富に供給されている状況においては貯蔵に回る脂質と言えます。

一方、飽和脂肪酸の中でも中鎖脂肪酸は【即効性のエネルギー】として利用される脂質です。長鎖脂肪酸とはエネルギー代謝の仕組みが異なるため、貯蔵にはほとんど回りません。そのため、長鎖脂肪酸および糖質を中鎖脂肪酸に置き換えることで、余分に貯蔵されたエネルギーを減らすことができます。

② 脂溶性ビタミンの吸収を促進する
これはそのままの意味です。
【脂溶性ビタミン=油脂に溶けて体内に吸収されるビタミン】 なので、摂取油脂が少ないと 脂溶性ビタミンの吸収は悪くなってしまい体に悪影響が生じます。
ちなみに、脂溶性ビタミンには
■ビタミンA(レチノール)…皮膚や粘膜の性状保持・視覚の正常化・発育に関与
■ビタミンD(カルシフェロール)…カルシウムやリンなどのミネラルの代謝や恒常性の維持・骨の代謝に関係
■ビタミンE(トコフェロール)…抗酸化作用により、体内の脂質(多価不飽和脂肪酸) の酸化を防ぐ。
■ビタミンK(フィロキシン)…血液凝固、骨の形成に関与。
があります。どれも結構重要なんですよ!

③ 細胞膜や脳神経組織を作る材料となる
細胞膜を作る主な構成要素はリン脂質。 そのリン脂質の材料になるのが不飽和脂肪酸です。 特にDHA、EPA、アラキドン酸は脳のニューロンの成長に関わり思考能力・集中力・記憶に大きく影響します

④ ホルモン生成・生理活性物質の生成
ステロイドホルモンや性ホルモンなどは、 コレステロールから合成されます。コレステロールは食事から吸収される以外に体内で合成されますが、その際に不飽和脂肪酸を原料として作られます。また、生理活性物質で炎症反応プロセスに関わるプロスタグランジンは、不飽和脂肪酸のアラキドン酸より作られます。
つまり、不飽和脂肪酸が不足すると、ホルモンの生成が不足したり、適切な生理反応が生じなくなってしまう可能性があるんですね。

いかがですか?皆様の中の ”脂肪”の概念が少し変わってきましたでしょうか?

貯蓄に回りやすい脂質を大量摂取すると“エネルギー過多”になり太ってしまうのは真実ですが、 脂質にはそれ以外にも重要な役割を担うため、必要な脂質が不足してしまうとホルモンの生成が不十分になってしまったり、脳のニューロンの成長が妨げられたり、ビタミンの吸収が阻害されてしまったり、 などという弊害が出てくる危険性があることをご理解くださいませ!

というわけで、今回のブログではざっと、”脂肪酸”全体の働きについて お伝えさせていただきました。

以上、院長のよもやま話「オイルよもやま 脂肪酸の働きについて」でした。

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