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よもやま話

院長よもやま話

梅の毒性について

今回のよもやま話のテーマは「梅の毒性について」

犬猫にはあまり食べさせることがない食材ではありますが…
今回は「毒がある食材」というテーマでよもやま話をお届けしてみます。
青梅には「青酸配合体」と呼ばれる成分が含まれています。
この青酸配合体そのものには毒性はないのですが、体内で特定の酵素で分解されることで青酸シアン化水素)に変化します。

この青酸シアン化水素)は、体内に吸収されると、血液中に存在するヘム鉄(酸素運搬体)にくっつき酸素の運搬の邪魔をします
酸素供給が邪魔される、ということは、すなわち体のあちこちの細胞の呼吸が妨げられるということです
呼吸が妨げられることで細胞内の酸素が不足すると、呼吸困難やめまいなどの症状が生じてしまったり、場合によっては死に至ることもあります。

これだけ聞くと、『そんな成分が含まれているなんて、梅ってすごく危険な食材なのでは?』と思ってしまいますよね。

とはいえ、今まで『玉ねぎ中毒』は聞いたことがあっても、『梅中毒』という言葉を(少なくとも私は)聞いたことがありません。そして、実際に梅を摂取することでの中毒発生は人でも非常に少ないようです。

中毒になりにくい理由としては、

①そもそも梅の中に含まれる青酸配合体の量は非常に少ないこと。
(中毒になるには300個とか食べなければならないらしい)

②青酸配合体は木になりたての青梅(若い梅)の時期に一番多く、その後は梅の実が成長するに伴って徐々に分解が進み、実に含まれる青酸配合体の含有量は減っていくこと。

③漬けたり干したりすることで青酸配合体の分解が進むこと。

上記の理由が挙げられるようですね。

ちなみに、私たちが実際に口にする梅の実は、梅干しや梅シロップ、梅酒などの加工したものがほとんどです。青梅をそのまま口にする機会はほとんどありません。梅の木からおちた青梅を拾って食べるというケースはあるかもしれませんが、それでも大量の梅の実を摂取することは考えづらいため、実際には青酸による中毒を起こす可能性は限りなく少ないと考えてよいと思います。

 

さて、その上で。
梅の実を動物に対して与えて良いかどうか?という話になります。

少量であれば、梅干しや梅肉エキスなどの梅の加工品をペットに与えることに関しては問題ありませんし、疲労回復や腸内環境の改善、ミネラル補給などの効能もあります。

ただし注意したいのは、梅の毒以上に「梅の種」。
梅の種は、犬や猫のサイズによっては気管や腸に詰まって呼吸困難や腸閉塞の原因となることがあります梅の実に含まれる青酸配合体以上に危険なので、間違っても種を摂取させることがないよう気をつけてくださいね。

あとは、梅干しで塩分量が強いものがありますので、与える場合には塩分中毒に注意する必要がありますね。
生であっても加工品であっても、そしてどんな食材であっても、過ぎたるは及ばざるが如し。
「毒性物質を含んでいる」「犬猫にとって毒になる成分が含まれている」という部分だけに惑わされすぎないようにしたいですし、問題がないと言われている食材であっても、食べ過ぎることで体によくない影響が出てしまうこともあります。

どんな食材であっても、ほどほど、バランスよくいただきましょう♪

以上、院長よもやま話「梅の毒性について」でした。

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