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よもやま話

院長よもやま話

成長期の手作りごはん(食事)で気をつけることは?

「仔犬を迎えることになりました。手作りごはんで育てたいのですが、なにか気をつけることはありますか?」

こんな嬉しいご質問をいただきました。
もちろん、仔犬でも手作りごはんで育てて大丈夫!

成犬の食事と極端な違いがあるわけではありませんから、レッツチャレンジ!していただければいいかなと思うのですが、
「どんなところに気をつければ良いの?」
というのは気になる部分だと思いますので、意識した方がよいかなと思う部分に関してお伝えしたいと思います。


【成長期とは?】

成長期とは、パピー(仔犬、仔猫など)が良く食べ良く眠ることで日に日にメキメキと成長していく時期です。

この時期は、骨や筋肉が急激に成長するためたくさんの栄養を要求する時期でもあります。
・小型犬で約8〜10ヶ月くらいまで
・大型犬で約1年半〜2年くらいまで
・猫で約10ヶ月〜12ヶ月くらいまで
ざっくりと、上記の期間が成長期に当たります。

成長期の中でも特に、母乳から固形食へ移行する時期の食事(いわゆる離乳食期)が、飼主様が一番気を遣う部分ではないかなと思いますので、その時期に与える食事をメインにしてお伝えさせていただきますね。

【離乳食期の特徴】

この時期のパピー達は、
・消化能力が弱い
・胃が小さい
・成長に必須となる栄養要求が多い
という状況です。

消化能力が弱く胃が小さいのに栄養要求漁が多いわけですから、それはそれはなかなかに大変です。

■消化能力が弱い■
消化に手間がかかる野菜や穀物は、幼少期は割合を減らし、与える場合は圧をかけて煮込んだりミキサーにかけて食べやすくし、消化しやすくして与えてください。

■成長に必要な栄養を摂取する■
この時期特に必要な栄養素はタンパク質とカルシウム。
これらの栄養摂取を意識しましょう。

■胃が小さい■
パピーは胃袋がまだ未発達で小さいため、一度に大量のごはんを食べられません。
そのため、食事は1日分を複数回(3〜4回)に分けた与える必要があります。

また、パピーは体内にグリコーゲン(糖)をまだ蓄えていないので、長時間食べ物を摂取しないでいると低血糖症を起こす可能性があります。それを避けるためにも、食事の頻度は守ってください。

【食事の内容】

■1日に食べる量■
1日に食べる量は、簡易的にパピー用ドライフードの量から逆算します。

水分含有量を考えると、質量的にはドライフードの3倍程度が手作りごはんで与える量となりますので、ドライフードで100gが1日量の場合は、手作りごはんであればおおよそ300g程度が1日量となります。

上記計算量を、3回〜4回に分けて給餌してください。

■食材の割合■
この時期は
●筋肉を作るタンパク質要求量
●骨を作るカルシウム要求量
が多いので、タンパク質とカルシウムは多めに含めるようにします。

タンパク質の割合は、ざっくりいうなら食事の5〜7割くらい。
残りの3〜5割を野菜や穀物として食事を作ります。

カルシウムは「丸ごと食べられる食材」を摂取するように意識すると含まれやすいです。
干しエビやシラス、卵、納豆などのほか、骨まで食べられる中骨缶などもおすすめです。

最終的には個体個体の消化吸収能力により、微調整を行いながら適量を判断していくことになります。
体重の増減や体の肉付き、毛艶、便の状態などを見て判断しましょう。(これは成犬と同じ考え方です)

最後に。
私がどれだけ手作りごはんでも大丈夫だよ、とお伝えしても、栄養の偏りなどが気になってしまい、ご自身の手作りごはんで不安、と感じる方も多いとお思います。

当たり前ですが、飼い主様の気苦労やご負担を増やそうと思って手作りごはんを進めているわけではありません。
ですので、ご不安が強いなら、離乳食期から無理に手作りに切り替える必要はなく、パピー用フードなどもぜひ上手に使ってご不安なく幼少期を過ごせるようにしてください。

例えば、全てを手作りごはんに切り替えるわけではなく、ドライフードに手作りごはんをトッピングしてみたり、3食のうち1食を手作りごはんにチェンジしてみる、などという感じで、食卓に少しずつ手作りを加えていくのも良いと思いますよ。
ぜひ、飼い主様にとってもストレスの少ない手作りごはんライフをお目指しください!

 

以上、院長よもやま話「成長期の手作りごはん(食事)で気をつけること」でした。
手作りごはんについて獣医師と相談したい場合は、診察のご予約をお願いいたします。
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